富士登山体験記|50代でもツアー参加で楽しく富士登山できました。

現在のあなたのことを教えてください!

50歳の男性です。
いつもは本格的な登山は特にしていませんが、富士山には2度ほど登頂経験があり、
いろいろアドバイスできると思います。

富士登山をした当時のあなたについて教えてください。

初めての富士登山は、2年前の夏になります。当時は48歳でした。
健康診断での糖尿予備群との指摘を契機に、日ごろの体力不足の解消として、
妻とともに参加しました。
富士登山のツアーに参加しました。

周囲の友人や知り合いに相談したところ、シニア層もしくはそれに近い年齢のツアー客に対するケアも行き届いており、 また経験豊富な登山ガイドも参加いただけると聞いていたので、安心して参加できると思って、このツアーに決めました。

なぜ個人で計画するのでなく、富士登山ツアーに参加したのか、不安だったこと等やツアー会社に質問したことも教えて下さい。

まず、50歳の大台にほぼ近い年齢で、体力的にもかなり弱くなってきている面もあり、
体力面での不安が大きかったのが、ツアーに参加した大きな理由のひとつです。

また、一度目の登山のときにも経験しましたが、
登山の際の時間管理もなかなかうまくできなかったとか、
都心から五合目までの大きな荷物を持って自分で公共交通機関を使って移動するだけで
体力が消耗するのではないかとか、宿泊で使う山小屋についてもツアーであれば
ある程度ツアー参加客向けの対応をしていただけるのかどうかといったことも不安でした。

ツアー会社に対しては、そのような気になることも質問したのと、
途中で気分が悪くなったりした場合に、どのような対応が可能なのかといったことも質問しました。

登山日程について教えてください。

1泊2日のツアーに参加したのですが、当日は、朝8時に新宿に集合しました。
そこでツアーの窓口で点呼を受け、添乗員との簡単な挨拶のあとバスに乗り込みます。

中央高速道路では大きな混雑もなく、
途中のサービスエリアでトイレ休憩をしながら11時前には5合目にある吉田口に到着します。

朝早く家を出たこともあり、バスの中で十分に休息できたことは大変助かりました。
五合目では簡単な説明とストレッチ等の準備体操等をした後で、登山開始です。

目指すは、8合目にある山小屋ですが、ガイドさんも参加者の様子を常に気にしながら
全体のペースを調整してくれますので、
遅れて他の参加者迷惑をかけてはいけないといった心配をしつつも、
ペースの調整もしっかりしてくれますので安心して登ることに専念できます。

8合目の山小屋にはみなさん遅れることもなく午後6時ごろに到着しました。
また、山小屋では比較的ゆっくりと時間を過ごすことができましたので、
ここでも深夜1時過ぎの出発まで十分に休息できます。

深夜1時過ぎに山小屋を出発しますが、そこからはかなり混雑しますので、
進みもゆるくなりなんとか日の出までに山頂に到着しました。

到着後30分くらいで日の出となりました。
お鉢めぐりをしたあとは、早々に下山し、昼前には5合目に戻りました。

そこからバスにのり高速にのる手前にある入浴施設で体を温めたあと、
高速にのり、午後6時には、新宿に戻りました。

事前の準備について教えてください。

事前準備は、かなり慎重に入念にしました。 

自宅でゆっくり準備すべきという友人のアドバイスで
登山用品を事前に自宅に届けてくれる神戸アウトドアのレンタルサービスを利用しました。
レンタルした商品は7点セットにしました。

服装は、初めて他の山の軽登山でも経験したのですが、
暑いときと寒いときの寒暖差がかなり大きいので、重ね着ができることを重視しました。
厚手のセーターよりは、シャツやタイツを2枚重ねにしたり、
タートルネックの風が入りにくいシャツもそろえました。

またレンタルしたフリースは、軽くて風を防ぐのに役にたちました。

靴下は、足に豆ができ、それがやぶれると大変痛くなりまので、
豆はできてもつぶさないですむように大きめな厚手の靴下をそろえました。

靴もそれに合わせて、0.5センチ大きめがおススメということで、
そのようにレンタルで注文し全く問題ありませんでした。
アドバイス通り、少し大きめなサイズにするのがよいと思います。

ヘッドライトもレンタルセットに含まれていたので、暗い道を歩くときに、手が自由になり便利でした。

行動食で一番助かるのがアミノ系の栄養剤です。
最後に体力がかなり限界になってきた際には、この栄養剤を補給すると、
30分~1時間くらいは不思議と体が動くようになります。

水分は軽快に登っているときにはかなり消費しますので、
ミネラルウォーターは500mlは持っていたほうがよいと思います。

体力づくりも事前準備としては大切です。
私の場合は、毎日最低1万歩を目標に有酸素運動を3ヶ月実施しました。
このウォーキングにより、からだの調子がかなり上向き、当日は自信をもって参加できました。

持ち物でひとつもっていったのが登山用の調理用ガスと火に乗せても使えるカップです。
山頂の危険のない場所で、轢いたコーヒー粉からコーヒーをつくり、日の出をみるというのは最高の贅沢です。

登山当日の服装はどのようにしましたか?

登山開始時には、タートルネックのシャツと登山用のズボンです。

最初の6合目あたりまでは、体を慣らすためにゆっくりとスタートをしますが、
天候がよかったこともあり、すぐに暑くなり汗をかき始めます。

しかし、少し休憩すると、すぐに冷たい風で体が冷やされるので、
タートルネックのシャツで風が首元から入るのを防ぐことは体温を奪われないためにも重要でした。

山小屋は温暖もきいていますから、普段着感覚で、
タートルネックのシャツと登山用のズボンをそのまま着ていました。

ただし、寝るときには、数時間後には起きて登頂がはじまり、
そのときには山小屋自体も、山小屋の周りも混雑することがわかっていましたので、
事前に深夜の登山の服装である雨具の上下をきたまま寝ました。

山小屋から山頂に向かう途中は、かなり寒くなります。
雨具のしたもかあり重ね着をしないと、体温が奪われますから、シャツもタイツもを2枚重ねにして、
タートルネックのシャツも着た上からフリースと雨具をを着ました。

山頂でもそのままの服装です。
特に日の出前の体感温度は特に下がるので、それまでにかいていた汗もきちんとふき取っておくことも大事です。

下山時は、また暑くなってきますが、
太陽がでてくる関係で吹き付ける風も強くなりますので、
薄着の上から雨具を着ておくこのがよいと思います。

当日の天候の変化について教えてください。


当日の天候ですが、登山の開始時は、薄ぐもりでした。
風はある程度強いので、雲の動きもはげしく、日がでるタイミングと隠れるタイミングが頻繁にやってきます。

日がでるタイミングでは暖かくなりますが、雲で日がかげるとすぐに風がでて、
寒くなってきましので、油断は禁物です。

山頂付近では星がでて、きれいな夜空がみえる晴れでした。
下山時も晴れ時々曇りで、快適な下山ができました。

思い出話をお願いします!

一番大変だったのは、山小屋から山頂に向かうときに長い行列です。
体をなかなか動かせませんから、何時間も冷えた状態で、1分に5mくらいしか進まないときもあり、
体温が奪われ体力も奪われていきました。

アミノ系のサプリメントで体力を維持したり、水筒にいれていた熱湯のお茶をのんで体の内部から暖めたり、
ホカロンのような暖房剤をいくつも背中やお腹あたりに張って、なんとか保てたかんじです。

一番楽しかったのは、山頂で、自分でコーヒーをつくり、日の出をみたときです。
だんだんと太平洋側の雲の方が赤く染まっていき、太陽の光が漏れ始め、最後に太陽本体が姿を見せます。

なんとために富士山に登ったのかということを、あらためて実感させてくれる瞬間でした。

初めて富士登山に挑戦する登山初心者の方へアドバイスをお願いします。


日本人が昔から愛して止まない山が富士山です。
昔から続く富士講といった文化も含めて、富士山には神秘の力が宿っていまるとみなされています。
登山を専門としない普通の素人が、その富士山に登れるのは、年に数ヶ月の間しかありません。

また、世界遺産に登録されてからは、さらに登山者の数も増えています。
ぜひ、山頂を目指して頑張ってほしいと思います。まず事前準備はかなりしっかりしていきましょう。

一番大事なことことは体力づくりだと思います。
私の場合はウォーキングでしたが、何をするかは人それぞれなので、なんでもよいとは思いますが、
少なくとも、1日1時間以上は継続的に有酸素運動となるような運動を3ヶ月は続けることをお勧めします。
その事前準備の中で、自分の歩行スピードや歩行の癖や呼吸方法もわかってくると思います。

そのペースがしっかりわかってきたら、逆に速く富士山に登りたくなります。
日ごろの訓練の成果を富士登山で試してみたいと思うようになるほど自信がついてきます。
ぜひ事前の運動は実施するようにしてください。

あとは当日に向けて、前日ははやく眠りについて、ゆっくり体を休め、万全な状態で当日をむかえることが重要です。
特に寒さで体力が奪われてくると、睡眠不足が一番苦痛です。
なんでこんなところに来てしまったのだろうと後悔しながら登ってしまう時間帯も発生してしまいます。

最後の山頂で日の出をみれれば、それも過去のことにはなりますが、
なるべく安全に楽に富士登山をたのしむためには、1に事前の継続的運動、2に睡眠です。
ぜひあの日の出をみて感動してください。
きっと、人生の節目にもう一度登りたくなりますので。